伝承芸能は村人たちの大切な娯楽でした。
旧若山家西側には、旧河合村大字保から移築した立保(たてほ)神社拝殿があります。立保神社は、鈿女・白山・国作大神社の三社を合祀した神社で、三社の拝殿を集めて建てられていました。上を拝殿、下に舞台、もうひとつを神饌殿としていたものを飛騨の里に移築した際に、神饌殿を楽屋にして花道でつなげました。
飛騨地方において神社の一角に舞台を設けて、地歌舞伎や獅子芝居などが「奉納」されることが少なくありませんでした。なにかと幕府から禁じられることが多かった芝居などを「神様に奉納する神事」というかたちで許しを受けていたのでしょう。こうした行事は神事であると同時に、数少ない村民たちの娯楽の一つでもありました。
現在、このような行事が残っている神社は数少なくなりましたが、毎年夏には高山市子供伝承芸能保存会のみなさんによって獅子芝居などが奉納されています。 |
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楽屋から舞台への廊下「花道」。 |
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奥に一段高く拝殿があり神様が祀られている。下が舞台で、河合村の伝統芸能が奉納されてきた。現在は飛騨各地からさまざまな芸能がやってくる。 |
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立保神社の履歴書
◎かつての住所 /岐阜県飛騨市河合町保
◎鈿女神社・白山神社・国作大神社の各拝殿を合わせた(花道のみ後で加えた) |
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飛騨の里開村記念日での芸能奉納の一コマ。 |
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